2010年11月14日日曜日

買い物マニュアル

Madrid のみならずスペインでは、日本人のわたしたちからみると非常に効率の悪い仕事ぶりで、無駄な待ち時間がやたらめったら長く感じます。外国人の間で特に評判が悪いのが公務員。滞在許可証の手続きなどで何かとお世話にならなければならない機会が多いのですが、愛想の悪い対応、何が本当なのか分からないあいまいな情報の連続で、イライラしないことはないと言っても過言ではないほど。これはわたしの友人の名言ですが、彼曰く、"Los funcionarios no funcionan. "Funcionarios(公務員)は no funcionan(機能しない)、というわけです。苦笑

公務員と同じだけ愛想の悪い人たちは、店員。スペイン人に言わせると、スペイン唯一のデパート、El Corte Inglés(エルコルテイングレス)では接客態度がいい店員が多い、とのことですが、わたしたち外国人にとってみれば大ウソにしか聞こえないような状況なのが現実。このデパートでは男性店員(特に中年のおじさま方)はまだマシですが、女性店員は若い方から年配の方まで、「黙って動かなければキレイなのに」と思いたくなる様相の方ばかりなんです。旅行者の皆さんがびっくりして嫌な思いをしないように、どんな様子なのかまとめておきます。

①店員同士のコミュニケーション命!
お客さんがレジにいようと、質問しようと近づこうと、関係ありません!店員どうしで話をしていれば、(例えそれが業務内容であってもプライベートな話であっても)話が終わるまでお客さんが会話を始めるチャンスはありません。無理に割り込むと嫌そ~な顔をされて、お客のこちらがションボリします・・・。

②整理整頓、品出しなど、決められた仕事優先!
お客さんがレジにいようと、質問しようと近づこうと、関係ありません!仮にその店員が品出しを始めたものなら、全てを出し終えるまでお客さんのところには戻ってきません。もちろんスミマセン、と声をかければ振り向いてくれるでしょうが、反応はたいてい「ちょっと待って」、と決まっています。今している仕事が終わるまで待つのは忍耐力増長のいいトレーニングになります・・・。

③とても残念なことですが、明らかに人種差別をしているような人も。
例えばわたしが店員のいないレジで待っていて、その後店員がやって来た時にわたしの他にも(スペイン人の)お客さんがいれば、順番を尋ねることもなくほぼ確実にその人を優先します。対面式販売でもそうです。こちらが順番をずっと待っているのを知っているにもかかわらず、あえてショーケースの反対側に行って後から来た他のお客の注文を取ったり、お客がいない時にするような事務作業を始めて店の奥へと消えたりすることが少なくありません。その時に、この人が先、と言わずにちゃっかり注文するお客もお客なわけですが。

日本式の、お客様は神様接客に慣れているわたしたちにはびっくりすることや悲しくなること、イライラすることがいっぱいです。それでお金を受け取るならまだいいですが、お金を払うのはこちら・・・。でも、これがスペイン流、と頭の片隅に入れておけば、実際にこのような状況に遭遇した時に受けるショックの度合いが軽くなります。

こんな時の解決策は、とにかく待つことです。「あーもうっ!」と時計なんか見ちゃダメです!「日本ならこうするのに・・・」と比較するのも厳禁です!そんなことをしたら、腹が立つ一方。店員が話し終わるまで、今している仕事をし終わるまで、気長に待つのが賢明です。そして、明らかに自分だけ存在を無視されている!と憤慨するような状況の時には、周りのお客を味方につけるのも手です。先日も、パンを買うためにショーケースの前で順番を待つこと数分、周りの人の状況から自分の番が回ってきたと思ってから実際に注文するまで5分かかったことがありました(店員が店の奥に消えたり、他の人の注文を取っていたため)。その時、隣にいたご婦人と目があったので、私もう5分も待っているのに、と愚痴をもらしたところ、そのご婦人は同調して「わたしたちがここで待っているんだからこっち側にも来るべきよね」と応じてくれました。この言葉にどんなに救われたことか・・・!スペイン語が分かる方にはぜひ試してみてもらいたい裏技です。

もちろん稀にですが(笑)感じのいい店員も存在します。入店した時に感じが悪くても、こちらが感じ良くしていると途中で態度がほぐれてくる店員もいます。そんな店員に当たった時、あぁ感じの悪い人に当たった経験があるからこそ今こうしてこの人の良さがわかるんだ、と前向きに考えることも心身の健康のために大切なことだと感じています。笑

最後に、できるだけ気分良く買い物するためにわたしたち日本人側がした方がいいことを。それは第一に挨拶をすること。第二に商品をベタベタ触らないこと。日本では、最近でこそ「こんにちは」と言われることも増えましたが、基本は返答の存在しない「いらっしゃいませ」と言われることが多いですよね。それならお客さんは無言でいいわけですが、スペインでは店舗に入る時は Hola(オラ)、店舗を出る時は Hasta luego(アスタルエゴ)もしくは Adiós(アディオス)と言い合うのが習慣です。友人宅に入る時に「おじゃまします」、「おじゃましました」と言うのと似ていると私は考えています。日本でのようにこちら側が”普通に”しているつもりでも、挨拶を返さなければ店員側には無礼な客、と思われてしまい、ただでさえ感じの悪い店員の対応がさらに悪くなりかねません。それから、スペインでは日本でほど、陳列の品を勝手に手に取らない印象です。日本では高級店を除いてはお客さん主体で自由に手にとって品比べをしていますが、こちらでは手に取らずに見るだけでの吟味時間が長いようです。そして品定めをし終わったところで最終確認的に商品を手に取ります。そうすると商品を手渡すために店員が近づいてきてくれます。特に店員のサポートが必要ない場合は日本でと同様に、見ているだけです、と言えばいいのですが、その場合は言葉通り”見ているだけ”にした方が相応しいようです。もちろんプチプラの店では服でも靴でも各個人が勝手に手に取って試していますが、雑貨店や薬局などで特に差があるように思えます。手に取るということ、それはほぼ購入の意思が固まっていることと理解される、と頭に入れておくといいかもしれません。

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