Pascua (イースター)の時期にスペインで食べるもの、それはTorrijas (トリハス)。フレンチトーストのスペイン版です。大きな違いは、一に食パンではなくバゲットを使うこと、二にバターではなくオリーブオイルを使うこと。そして Almíbar (シロップ)をかけていただくのがスペイン流。バターの香り麗しきフレンチスタイルの方が百倍好みなのですが、せっかくスペインに住んでいるということで季節のものは一応いろいろ食べるようにしています(笑)。それで凝り性というか、食い意地が張っているというか、まぁ単に食べ比べが好きなわたしは、マドリードのケーキ屋さんを回って Torrijas を食べ比べてみることにしました。
今年食べ比べたのは以下の六軒です。(試食順)
Antigua Pastelería del Pozo
Embassy
Pomme Sucre
Moulin Chocolat
Formentor (もしくは
こちら)
La Duquesita
Antigua Pastelería del Pozo (2'6€/個):
Torrijaというより、ケーキと呼びたい一品。なんとバゲットではなく、Bizcocho (パウンドケーキ)を使っており、それをクリームに浸して焼き上げたもの。美味!
Embassy (2,5€/個)
トラディッショナルで、重すぎない。パンだとわかる食感(特に耳の部分)。おいしい。
Pomme Sucre (2,5€/個)
大量の油に大量の砂糖!パンが十分に牛乳に浸してあることがわかる食感。どちらかというとドーナツという感じ。かなりヘビーな食べ心地。
Moulin Chocolat (2,4€/個)
小さい。風味から油、シロップに至るまで、すべてが軽い。なんか、残念。
Formentor (3,1€/個)
乾燥しているようで、実はかなりジューシー。油の臭いが強いが、不思議とヘビーではない。甘くもなく、まるで"豆腐の厚揚げ"といったところ。
La Duquesita (4,5€/2個)
焦げて堅そうだが、かなりジューシー。タッチは軽いが、風味が良い。
どちらもマドリードでは有名なケーキ屋さんばかりなのですが、フレンチスタイルを追求していて個人的に贔屓だったのが Pomme Sucre と Moulin Chocolat。期待値の高かった分、見た目、食感ともにハズレ感が大きかったのでこちらの二店舗には『がっかりで賞』を贈呈。やっぱりおフレンチに
アフリカ大陸スペインの味の再現(?)は難しかったか。
『普通で賞』は Embassy に。可もなく不可もなく。もらえばおいしく食べるけど、進んで食べたいとはならないかもしれないレベル。
『おしゃれで賞』は La Duquesita に。有名パティシエ Oriol Balaguer 氏に買収され(?)てからというもの、昔の面影は残しつつもおしゃれで洗練されたイメージに一新されたケーキ屋さんです。シロップ漬けの Torrijas をカヌレかマカロンでも入れそうな透明のプラスチックボックスに入れたところが目に新しく、テンションアップ。
あいにく判定者(わたし)が豆腐嫌いで、途中からもう厚揚げを食べているとしか思えなかったので Formentor の Torrijas は、『判定不可』ということになりました。失礼!
最後に、『ほっぺたが落ちたで賞』は実際にほっぺたが落ちた Del Pozo に!Torrijas の常識を覆すその斬新さに脱帽。というか、もはや Torrijas とは呼べないような???これは迂闊にも違うジャンルで戦わせてしまったようだ!
以上、マドリードの Torrijas 食べ比べレポート。どなたかの参考になれば幸いです。春にスペインに来ることがあれば、ぜひスペイン版フレンチトーストを試してみてください!フレンチトーストには興味がないという方にも、Del Pozo の”創作フレンチ(トースト)”は激烈オススメです!