2012年2月29日水曜日

命令形がありすぎると、こうなる

スペイン語には el imperativo(命令形)という物があります。日本語の命令形(行け!食べろ!の類)というより、テ形の用法(行って!食べて!の類)に近い意味合いです。ただ、実際はそれ以外に色々な”命令の仕方”があって、英語のように el infinitivo(動詞の原形)を使うこともあります。それは主に不特定多数に向けたメッセージになるので公共の場でよく見かける形です。

今日もファストフードに入る時に、ドアに貼ってある”引く”のマークを見たのですが、・・・


何とその言葉が、Tirad。原形のTirar、もしくは丁寧な命令形 Tiren でなければならないところが、最後の r が d の、”(あなたたちは)引いて”になっていました。ご存知の方もいるかと思いますが、スペイン語では丁寧な you(usted)とカジュアルな you(tú)の二つの”あなた”が存在します。英語の you は単複同形ですが、スペイン語では英語の一人称(I と we)のように複数形になると ustedes、vosotros とそれぞれ形が変わり、それに合わせて命令形も二通り存在するのです。この「引く」のマークの何が問題なのかというと、公共の場所でもあるに関わらずカジュアルな vosotros に向けた発言になっていることです。

不特定多数に向けた命令と言うことはつまり、人生経験の長い高齢者や、いつかお世話になった教授、いつもお世話になっている医師など、家族や友達に対して以上の敬意を払うべき人(少なくとも形式上は・・・)も含まれていると言うことです。実際のところスペイン語が母語ではないわたしたち外国人にはあまりピンときませんが、ustedes という丁寧なもうひとつの単語が存在している限り、やはりここではそちらを使うべきで、二人称複数形を使うのは正しいスペイン語として認められない、とは ELE (外国語としてのスペイン語)の先生の話。


そんな「引く」のついた扉の内側は・・・・Empujar(押す)でした。笑 仮にvosotros向けで統一されていたとしたら(Empujad)まだ作成者側の意図もわかりますが、こちらはツッコミどころのない状況。

こんなチグハグさをよく見かけるスペインです。

2012年2月14日火曜日

TE ADORO


道端でよくサプライズに遭遇する Madrid。今日はバイクに付けられた真っ赤な風船に出逢いました。そうか、今日はバレンタイン!


風船に書かれたメッセージはTe adoro(I adore you)!帰ってきてバイクを見た時、もしくはバイクに乗って帰る時、シチュエーションはわからないけど、にっこり笑顔になる誰かさんがいると思うとそれだけでわたしまでにっこり、です!